「ゴルフの上達には関係ない?芝勉強1で大人のゴルフ|環境破壊とゴルフ場」の続編!
「最先端技術がゴルフ場を守る!
でも,その技術はもうあなたの体内にも・・・?」
をお贈りします。
ただし、またまたゴルフ上達にはつながらない話だと思います。
でも、あなたのご家族にも関係ある話です。
ゴルフエッグの本職の色合いの濃い記事になりますので、
お読みになるときはご覚悟ください m(_ _)m
「ゴルファーでなくとも知っておこう!世の中の流れレッスン」のスタートです^^
大豆と芝
突然ですが、質問をひとつ!
あなたは、節分のとき豆まきをしますか?
「おー当ったり前よ~べらんめぇ~」
そういう、あなたは江戸っ子ですね。
ならば、まく豆は大豆かな?
「えっ?他に何まくの?」
地域によって、まく豆に違いがあるんですよ^^
「えーーー?」
ゴルフエッグの出身地では、
節分といったら「落花生」をまくのが当たり前です^^
「落花生」派は、
- 北海道、
- 東北、
- 信越地方
- また、鹿児島、
- 宮崎
この辺だけなんだそうです。全国的には少数派ですね。
これは産地との関係があるそうです。
「へえーーそうなのか~」
ちなみに、大豆といったら
遺伝子組み換え(Genetically Modified,略してGM)大豆の問題が大きいですね。
農水省のデータ(2007年)のデータでは、
国産大豆の生産量は約23万トン、輸入大豆量は約420万トン
つまり、国産大豆の割合は 23÷(23+420)×100=約5%でしかありません。
そして、国内での食用としての大豆需要量は100万トン。
「なんか、小難しい話だな~」
要は、「食用大豆がすべて国産大豆ということはありえない」
ということを分かっていただければいいだけです^^
大豆は、飼料用や種子用として使用もされていますが、
加工用としての使用量が300万トンと多いです。
日本は、大豆食の国ですから当たり前ですよね。
輸入大豆のすべてがGM大豆ではありませんが、
日本が輸入する大豆のほとんどはアメリカ産大豆です。
そのアメリカでは、
大豆作付面積の93%がGM大豆(2010年)となっています。
つまり、どう見積もったって、輸入大豆=GM大豆 といっても間違いないのです。
もちろん、GM技術は素晴らしいものです。
あなたもご存知の、日本の誇る
「山中教授のノーベル賞 iPS細胞」は、
このGM技術そのものです。
* iPS細胞:ヒトの体細胞(皮膚や筋肉など)を、
どんな組織細胞にも変化(分化)させることができるようにした細胞。
万能細胞ともいう。
たとえば、
- あなたの頬の細胞をちょっと採って、
- あなたの悪くなった組織(心臓の細胞など)と
- 取り換えることができるようになる
ということです。
「すごっ! 車の部品換えみたいだね。」
そうなんです。
いわゆる再生医療は、今後このiPS細胞。GM技術が中心となっていくのです。
でも、
- 医療だと「ノーベル賞ばんざーーい」と称賛され、
- 食糧だと「遺伝子組み換え食品はんたーーい」と非難されたりする
これって、おかしい気もしますが・・・
別に、GM技術が悪いものとか、山中教授を非難しているわけではありません。
ゴルフエッグは山中教授のことは大好きです。
あんな、謙虚な方を見たことがありません。
すっごく尊敬している人ですので、そこはお間違いなく・・・
といったら、あなたはどう思いますか?
「芝に遺伝子組み換え?どうゆうこと?」
GM技術
昆虫に対して毒性たんぱく質(Btタンパク質)を作り出す微生物がいます。
(写真引用:ウィキペディア)
この微生物の「Btタンパク質を作り出す遺伝子」を、大豆に組み込んだのが、GM大豆といいます。
「微生物の遺伝子を植物に入れる????」
そう、生物同士であれば、原理的には、どんな生物間でも遺伝子の組み換えは可能なのです。
つまり、昔の映画の「フライ」。今でいうと「スパイダーマン」のようになることも可能なのです。
* フライ:ハエ人間になる映画
スパイダーマン:クモ人間になって世のため人のために頑張ってくれる映画
GM大豆は
- Btタンパク質を作り出す
- GM大豆には、害虫がつかない!!
それにより、
- 農薬がいらない(本当はいる)
- 環境汚染にならない(違う意味で破壊になる)
- 農家のコスト削減になる(そんなことはない)
- 農薬まきの大変さがなくなる(それは確かにそう)
- 農家の人の健康被害も防げる(これもそうとも言えない)
いいことずくめ・・・の大豆なのです。
( )は、もっと突っ込みたいところですが・・・
話が長くなるので( )内で止めておきますm(_ _)m
この技術を使って、GM大豆を商品開発したのが
「モンサント社」というアメリカの会社です。
「大豆の中で毒性たんぱく質が作られているっていうこと、なんだね」
「でも、その大豆って食べて大丈夫なの?」
はい、一応・・・・
このBtタンパク質は、生物が作り出す農薬(生物農薬)として
20年以上も昔から普通に使われている殺虫剤成分です。
その上、この生物農薬を使用していれば、有機農法として認められているそうです。
(ここも本当は突っ込みたいところです。)
また、Btタンパク質は、
- 我々人間(動物など)の酸性の胃の中では分解され無毒化されます。
「じゃあ、なんで殺虫剤成分なの?」
- 病害虫を含めた昆虫の胃の中は、アルカリ性なんですね。
そのため、
- Btタンパク質は変化しないで(変性しない)
- 昆虫の腸まで届きます。
- 腸の中で栄養吸収する細胞にくっつき、
- 昆虫は栄養の吸収ができない体になってしまいます。
- 結果、昆虫は、死んでしまうのです!
「なんだ、じゃあヒトが食べても安心なんだね^^」
はい、それが開発したモンサント社、科学者の言い分です。
科学的には何も間違っていません。大正解です。
(ここも、もっと突っ込みたいところですが…)
現在、GM作物は
- トウモロコシ
- ナタネ(食用油になる)
- ワタ(綿)
- ジャガイモ
などなど、多種あります。
そして、組み込む遺伝子も、Btタンパク質遺伝子だけではなく、
さまざまな(ヒトにとって、開発者にとって)有用な遺伝子を導入しています。
(「開発者にとって」というところも突っ込みどころです。分かっていただけるといいのですが・・・)
GM作物を栽培している国も、アメリカを中心として年々増えています。
(引用:ウィキペディア , 色つきのところがGM作物栽培国)
幸い?にも、日本ではまた、GM作物の一般栽培は許可されていません。
(実験的にはもちろん行われています)
「じゃあ、日本の食ってGM作物じゃないんだね」
そっそっそんな~~
だって、日本の食糧自給率は40%といわれています。
(ただし、カロリーベースと言う計算方法です)
つまり、食糧輸入大国だということです。
これ以上のご判断は、あなたにお任せします m(_ _)m
GM芝
「じゃあ、芝の話にすると、このBtタンパク質を作り出す遺伝子を芝に入れるんだね」
そうです。ご名答です。
芝が、芝自身で
- 殺虫剤成分を作り出すので、
- 病害虫が寄ってこない。
- ゴルフ場の管理人は、殺虫剤をわざわざ使わなくともよい。
- 環境水に流れ込むこともない
- ゴルフ場のコスト削減になる
- ゴルフ料金が安くなる
- ゴルフエッグはうれしい^^
- 一石何鳥にもなる
ということになります。
「なんだ、芝ならヒトが食べるわけでもないし、いいことだらけじゃん!!」
はい、そうですね。
しかし、2013年8月1日の朝日新聞で
「遺伝子組み換え効かぬ害虫が大量発生!」という記事を見ました。
ハムシの幼虫(ネキリムシ)に食べられたBtコーンの根(左)と健全な根(右)=米イリノイ州、行方史郎撮影 【行方史郎】コーンベルトと呼ばれる米中西部のトウモロコシ生産地帯で、遺伝子組み換え(GM)トウモロコシに耐性を持つ害虫の被害が広まっている。一角をなすイリノイ州の現場を訪ねると、予想を超える早い出現に殺虫剤の使用が増えていた。GM作物の新たな課題が浮かび上がる。 ■米コーンベルト、殺虫剤使用増
(引用:朝日デジタル)
実は、2013年に始まったことではなく、世界中でGM作物についての被害の話はいっぱいあるのです。
生物は進化します。
我々ヒトもそうやって生き延びてきた種です。
科学者もいっていました。
「いつかはGMが効かない害虫が出現するだろう」
「でも100年間は出現しないと思っていたのに・・・」
と・・・
「つまり、Btタンパク質が害虫には効かなくなったということだよね」
そうです。そういう新種?の害虫が出没してきたということです。
「ならば、この害虫はどうやって駆除するの?」
そうですよね。どうしましょう?
- もっと強い殺虫剤を使うか、
- 農薬の使用量を増やすか、
- 新しい農薬開発をする
など、しなくてはいけないんですね。
「なんだ、だったらもっと環境汚染することになるじゃん」
「それに、新型ウイルスと同じようなことになるんだな~」
するどい!そうなんです。
- 新しい薬を作っても、
- また生物はそれに対抗し、新種を作り出す。
- そして、ヒトはまた英知を絞って、
- 新しい薬の開発を・・・
というイタチゴッコと同じです。
芝・ゴルフ場の話に戻します。
GM芝もいいでしょう。
しかし、新聞記事のようなことは必ず起こるはず。
そうなったときには、もっと強力な殺虫剤が必要です。
さあ、あなたはどう思いますか?
- 「今、殺虫剤を使わないようになるのならGM芝もいいんじゃないの」
- 「将来的には、ダメになるなら、今まで通り殺虫剤使用で行くしかないよね」
どっちが環境破壊なのでしょうか。
ゴルフエッグにもわかりません。
ただ言えるのは、GM技術は今後、世界中で使われていく技術です。
- 最新技術は人々を豊かにします。
- しかし、使い方をちゃんと考えなくてはいけないのです。
- 途中の突っ込みどころも、もっともっと考えなくてはいけないところなのです。
そこまで考えるのが本当の科学なのです!!
神の技術!
GM技術と同じようですが、根本が違う「エンドファイト」という技もあります。
エンドファイトとは、芝(植物)に寄生(共生)している微生物のことです。
芝内に共生している微生物の力で、害虫をやっつけよう!という戦法です。
GMは、
- ヒトに力で無理やり遺伝子組み換えする方法
エンドファイトは、
- 自然に寄生する微生物の力を使う方法 です。
似ていますが、人工的か自然か、が大きな違いです。
「どっちも同じようだけどな~~」
確かにそうですよね。
しかし、ゴルフ場は本来、神が創ったものです。
「神が創ったゴルフコース セントアンドリュース」もあることですし・・・
(「ゴルフのルールとセントアンドリュース」 の記事参照)
だったら、芝には、神様(自然)の力の方がいいように思います。
なんたって、ゴルフは「あるがまま」ですからね。
(「紳士のスポーツ、あるがままがゴルフ」記事参照)
エンドファイトについて、もっと知りたい方はこちらでお勉強ください。
この勉強は、他サイトにゆだねます。
長々とお読みいただき、ありがとうございました。
ご意見をコメントにいただければ幸いです。 m(_ _)m
ゴルフエッグさん
大変楽しく読ませていただきました!普通のゴルフブログとは違った内容でとても面白かったです。
食や環境に関することだけあって、ゴルフをする人間としても、子を持つ親としても興味深い話題ですね。
エンドファイトの応用で、ベント芝を常に一定の長さにしてくれる微生物とかできると便利ですね〜!(ろくな事考えなくてすみません)
青井さん
コメントありがとうございます。
いや、いいですね。発想がすばらしいです。
「エンドファイトを使って一定の長さの芝」は、とてもいいですね。
植物の丈を短くすることを「矮化(わいか、わい化)」といいますね。
わい化剤という農薬もあるんですよね。
これは、農家さんには福音です。
稲穂が実る時期って、台風の時期と重なったりします。
その際に、
背が高い稲だと倒れる。
倒れると刈るのが大変。
もみが水浸しになる。
結果、収穫できない
となるから、背丈を低くしちゃうんですよね。
でも、それってどうなのかな????
と思っていますが・・・
しかし、その恩恵を日本人は受けて、おいしいご飯をいただいているのですから、農家さんだけの問題ではないんですよね。
芝でも伸びが抑えられると、管理は楽ですよね。
それを農薬ではなく、エンドファイトでできるといい、という発想はGoodですね。
では、これから実験室へ行こうかな???
ゴルフエッグの実験室はゴルフ場にありますので・・・失礼しましたm(_ _)m
うれしいコメントをいただいたので、記事みたいに書いちゃいました。
また、お越しください。コメントもお待ちしております m(_ _)m